2006年07月29日

1ピクセルの情報量×ピクセル数=映像全体の情報量

現実のCCDにストライプを写した場合1 最近、カメラとテレビの多画素化が進んでいます。その中で、忘れられていることがある気がしてなりません。カメラの解像度が上がれば、情報量が増えることに疑う余地はありません。しかし、画素数のみを気にして、1ピクセルに詰まっている情報を増やすことを置き去りにして良いのでしょうか。

総合的な情報量とは、1ピクセルの情報量*ピクセル数によって決定されます。つまり、ピクセル数を増やすだけでなく1ピクセルあたりの情報量を増やすことも大切ではないでしょうか。

1ピクセルあたりの情報量???そう思われた方もいらっしゃると思います。では、1ピクセルあたりの情報量についてちょっぴりと…。

アナウンサーのネクタイや網戸のような細かい模様を写したときに、チラチラと見づらいことはありませんか。また、ものの輪郭が滑らかではないと感じたことはありませんか。これは、1ピクセルあたりの情報量が足りないことによるのかもしれません。

カメラのCCDの2倍の細かさの白と黒のストライプを撮影するとします。 緑の四角形は、1ピクセルです。この範囲の色(明るさ)の平均値が、1ピクセルとして記録されます。

開口率100%のCCDにストライプを写した場合1

黒と白が1ピクセル内に半分づつ存在しているので、灰色となります。

開口率100%のCCDにストライプを写した場合2

若干模様をずらしました。ずらしたものの、CCDの2倍の細かさであるために、白と黒のバランスは1:1であるため、灰色であることに変わりありません。

開口率100%のCCDにストライプを写した場合3

先ほどとは逆方向に、模様を若干ずらしました。この場合においても、平均値は灰色です。

現実のCCDにストライプを写した場合1

現実のCCDは、全ての面において光を受け取れません。ここでは、実際に光を受け取れる面積を赤枠で囲いました。 この場合、緑枠の平均値と赤枠の平均値は、どちらも灰色ですね。

現実のCCDにストライプを写した場合2

先ほどと同様に、模様を若干ずらしました。この場合、赤枠の中には黒い部分しか含まれていません。したがって、平均値も黒となります。灰色ではなくなってしまいました。

現実のCCDにストライプを写した場合3

これまた先ほどと同様に、逆方向に若干ずらしました。今度は、赤枠の中には白い部分しか含まれていません。したがって、平均値は白。

全ての面で受光できる理想的なCCDでは、いつでも灰色の結果が出力されました。これが、理想的な結果です。肉眼においても、遠くのものはぼやけて見えなくなってしまいますが、それと同じ現象です。

ところが、受光面積が狭いCCDでは、模様がちょっとずれると出力結果が灰色から白になったり黒になったりとせわしなく切り替わって島しました。何故なのでしょうか。これは、狭い範囲の情報しか得られなかったために、正確な情報が得られなかったことによります。情報不足により、誤った色(明るさ)となってしまったのですね。

実際には、レンズによるボケ(つまり一定範囲の色が平均されてしまう)などにより、ここまで顕著には現れません。しかし、これと似たような現象は発生します。これらによって、斜線や細かな模様が汚くなってしまったり輪郭がギザギザ(ジャギー)します。デジタル臭い絵とでもいえば良いのでしょうか。

実際の世界では、CCDの開口率の向上は感度の向上につながるので、こちらのほうが重要視されます。 しかし、開口率は1ピクセルあたりの(空間周波数的な)情報量を豊かにする作用もあります。

開口率の向上はいい事尽くめなのですが、そう簡単には達成できません。また、100%にすることもできません。 しかし、CCDが受け取る光を平均することで擬似的に情報量を増やすことは可能です。 例えば、CCDの前に微細なレンズを配置して(集光率を向上させるためのCCDにオンチップのマイクロレンズとは異なる)、それをCCDのピクセルより小さな幅で高速振動(シャッタースピード以上)させたり、コニカミノルタの技術を応用してCCDそのものを先の振幅と振動数でゆするったりすれば達成できるでしょう。簡単ではないでしょうが、映画などの表現力が命の現場であれば、必要な技術ではないでしょうか。

総画素数だけでなく、1ピクセルあたりの情報量にも注目すべきではないでしょうか。究極の自然な映像のためには。

※ディスプレーの開口率は、情報量には影響がありませんので、ご注意ください。こちらは、メッシュ感などと呼ばれるザラツキに影響するものです。

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