2006年10月31日

ハイブリッドカー、ハイブリッドでも燃費が悪い理由(後編)

まずは、前回(ハイブリッドカー、その特性)の簡単なおさらいから。

ハイブリッドカーは、アイドリングやブレーキを踏むなど、エネルギーを無駄遣いすることを防ぐ事で燃費を改善しています。つまり、高速道路など一定速度で走行している時は、燃費の改善は期待できません。

つまり、燃費を向上させるためには、効率の良いエンジンも必要です。ハイブリッドは、エネルギーを捨てる事は防げても、エネルギーを生み出す事はできません。つまり、効率よくエネルギーを生み出さなければ、うみ出したエネルギーを無駄にしなかろうと全体的な効率はあがらないという事です。

プリウスは、高効率なエンジン・軽量かつ空気抵抗の小さいボディなど、ハイブリッド以外にも様々な省エネのための技術が使われています。それによって、燃費が大変よいのです。

では、ハリアーハイブリッドやレクサスGS450hはどうでしょう。

ハリアーハイブリッドは、空気抵抗の大きなボディに通常のエンジンを搭載しています。これでは、ハイブリッドカーといえど燃費がよくなりません。

レクサスGS450hは、通常のエンジンとFR(後輪駆動)となっています。後輪にしか発電機がついていないため、効率は悪くなる傾向があります。通常、ブレーキは前輪に強くかけます。ですから、後輪でしか発電できないとなると、効率が悪くなってしまうのです。

ハリアーハイブリッドやレクサスGS450hは、燃費を改善するためというよりは、パワーアップや静粛性など、ハイブリッドの燃費以外の利点を引き出すと共に、燃費を元の車両より悪化させない事が狙いといっても差し支えないでしょう。もし、燃費の改善を本気で考えているなら、ミラーサイクルエンジン(高効率低出力エンジン)を搭載するはずです。それを用いても、プリウスは1500ccで2000cc相当のパワーと言われています。しかし、ハリアーハイブリッドは3300ccで4000cc相当を、GS450hは3500ccで4500cc相当のパワーを狙った代償として、ハイブリッドカーでありながら燃費がよくないのです。

図を用いてまとめると、次の様になります(注意:以後のグラフは、説明のために誇張してあります)。

一般車の市街地走行時のエネルギー使用内訳

通常の自動車は、一般道を走るときにはブレーキやアイドリングなどによって折角エンジンが作った力を無駄にしてしまいます。ここで書かれてる諸抵抗とは、空気抵抗などの自動車が走行する際に避けられない損失のこと。ここにおいては、諸抵抗の割合が大きければ、ブレーキやアイドリングなどの避けられる損失が少ないということですので、効率が良いということになります。

ハイブリッド車の市街地走行時のエネルギー使用内訳

ハイブリッドカーでは、ブレーキやアイドリングによる損失を大幅に減らせます。わかりやすくするために、ブレーキの損失は全て電気に変換でき、アイドリングの損失も半分になった場合を考えました。暗い緑の斜線部は、ハイブリッドシステムを搭載していない自動車の諸損失です。ハイブリッドシステムを搭載すると、明るい緑の斜線部が追加されます。ハイブリッド車では、効率が倍になっていますね。市街地走行においては、ハイブリッドシステムのメリットが遺憾なく発揮されます。

一般車の高速巡航時のエネルギー使用内訳

高速道路ではどうでしょう。高速道路では、ブレーキを踏むこともアイドリングをすることもほとんどありません。 そのため、ほとんど無駄がありません。高速走行時の燃費がよくなるのは、このためなんですね。

ハイブリッド車の高速巡航時のエネルギー使用内訳

ハイブリッドカーでは、どうでしょう。勿論、ブレーキを踏んだりアイドリングしたりする場合の無駄は減らすことができます。しかし、もともと無駄が少ないので、無駄を減らしてもあまりご利益はありません。緑の斜線部がハイブリッドによる恩恵なのですが、市街地走行時と比べると、大幅に燃費が改善されたとは感じられません。

どうでしたか。ハイブリッドカーにも得意不得意があるんですね。

ところで、ヨーロッパではディーゼル車に注目が集まっていることをご存知でしょうか。 乗用車においても、 8月のディーゼル車シェアは49.9%
(中略)
2006年度累計では50%を上回る見込み
なのだとか。日本においては、どうもディーゼルというと振動・騒音・遅い・公害など散々なイメージです。 しかし、最近のディーゼルというのは大変性能がよくなっているものでして、同排気量のガソリン車よりもディーゼル車のほうが力があったり、1千万円クラスの高級車にも採用されていたり、ディーゼルエンジンのレーシングカーがガソリンエンジンのレーシングカーよりも速かったりするなと、なかなか面白いことになっています。 それでいて、ガソリンエンジンよりも効率が良いのですから、ヨーロッパでディーゼルが普及していることは何もおかしなことではないのかもしれません。

では、ハイブリッド車とディーゼル車では、どちらが優れているのでしょう。

どちらも、一長一短なので、これまた難しい話です。以下に、ディーゼル(やプリウスのガソリンエンジンなど)の様に高効率あエンジンと、通常のエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたものを比較してみます。

高効率エンジンのエネルギー変換効率 通常エンジンのエネルギー変換効率

効率の良いエンジンと通常のエンジンとでは、同じ量の燃料から生み出せる力の量が違います。力として変換できたものは自動車を動かすことができますが、熱などに消えてしまった分は捨てるより他ありません。困ったことに、通常のエンジンでは2割程度しか自動車を動かす力に変換できず、残りの8割は捨ててしまっているのです。高効率なエンジンでは、自動車を動かす力にもっと大きな割合で変換できます。

ディーゼル車の一般道における燃費 ハイブリッド車の一般道における燃費

先ほどのエネルギー利用内訳のグラフは、エンジンが変換したエネルギーの利用内訳でした。このグラフは、エンジンの効率と、エンジンが変換したエネルギーの利用効率を合わせたグラフです。緑の面積が大きいほど、効率が良いということです。

効率の良いエンジンを搭載している自動車よりも、ハイブリッド車の方が燃費は良いみたいですね。

ディーゼル車の高速道における燃費 ハイブリッド車の高速道における燃費

高速道路においては、高効率なエンジンを搭載している自動車のほうがハイブリッド車よりも有利なようです。

最終的な結論といたしましては、ハイブリッドは万能なものではありませんし、ハイブリッドによって高性能なエンジンを開発する必要がなくなったというわけでもありません。一番良いのは、高性能なエンジンとハイブリッドを組み合わせたものです。

この記事へのコメント
最近プリウスのCMでバッテリーだけでも走れる と だったらエンジンはいらないでしょう。 エンジン(その他ミッション、デフ、マフラー、)がなければ 100キロくらいは軽くできるでしょう。 価格も100万くらいは安くできるでしょう。 駆動するためのバッテリーの容量が心配なら、発電用の小さなエンジンを乗せればいいではないでしょうか。 ハイブリッド車よりもシステムも簡単だし、発電用のエンジンも燃費の良いところで回してやればエンジンコントロールシステムも簡単にすむでしょう。 ハイブリッド車よりも絶対製造コストも燃費もいいです。 誰か(どこかの大学)創っください。 トヨタはしばらくは創らないと思います。
Posted by 及川 美智夫 at 2009年01月31日 23:21
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