2006年12月17日

モノヅクリって何ですか

最近、新聞などではものづくりに関する話題がとりあげられています。ある企業のものづくり力は素晴らしく、ある企業のものづくり力は失墜したなどなど。

私としては、ものづくりは国を支える最も大切な柱のひとつと思っていますので、大切に育てられるべきだと思います。

しかし、新聞などで報じているものづくりは、プリミィティブ、いや、トラディショナルなものづくり、それも先のものづくりの極めて表面的な部分しかみていないように思えてなりません。

たとえは、ゲームと聞いただけでものづくりではないと判断してしまったり、半導体やソフトウェアなどの近代的なものをものづくりと見なさないなど…。例えば、薄型テレビ。ブラウン管全盛期には、ブラウン管とチューナーの性能によってテレビの品質は決定されました。現在は、(直視型液晶テレビの場合)液晶パネル・パネルドライバー・バックライト・(ディスプレイへの)特性補償・原画復元用アルゴリズムとその実装・IO・ユーザーインターフェース…数多くの要素によってテレビの品質は決定されます。また、直視型液晶テレビだけでなく、プラズマテレビ・リアプロなど様々な形式のディスプレーがあります。ですが、パネル以外はものづくりとして扱われない事が屡。そもそも、そのパネルを作るためにはガラス基盤などの製造技術だけでなく、液晶・位相差フィルム・偏向フィルムなどのハイテクな材料が必要な訳でして。

また、ゲームのように最先端の技術が投入されているにも拘らず玩具として軽視される事も。以前の様に枯れた技術ではなく、ゲームが新たな技術を生み出しているにも拘らず。例えば、Xbox360やPS3。Xbox360にはGPGPU用途などとして期待されている統合シェーダを搭載したコンピューターグラフィックス処理システムが搭載されていますし、PS3にはCell/B.E.と呼ばれる未来レベルのパソコン用処理システム(CPU)や最先端の光学技術の結晶であるBlu-ray(次世代DVD)が搭載されています。

また、日本の半導体業界がお寒い状況である事にも、危機感を抱いていない様です。CPUはIntelやAMD、IBMといった北米企業が、DRAMはサムスンやハイニックス、マイクロンなどに、マザーボードさえASUSやGIGABITEなどの台湾企業が占めています。

日本の半導体業界がお寒い状況

IC Insightsが2005年の世界半導体メーカートップ20を発表米AMD社と韓国Hynix社がトップ10入り,2006年の半導体メーカーの予想ランキングをiSuppli社が発表を参照のこと。

そもそも、ものづくり力などといいながら、売り上げ以外は考慮していない事が散見されます。

経済産業省による新日本様式には、パナソニックのプラズマテレビ(以降PDP)とシャープのアクオスが選ばれています。 この、新日本様式のウェブサイトはFirefoxだとまともに見られないとは、如何なものか…って話がずれました。 その理由は、 世界でも愛される環境性能とデザイン。 大画面で魅せる繊細で深みのある色彩。
(中略)
大画面でも鮮やかなこの高解像度再現技術は、
…。パナソニックのPDPの方がパイオニアのPDPよりも高画質という事には、目を瞑ると致しましょう。しかし、高精細化を理由に選ぶのは奇妙な事極まりないです。パナソニックは、パイオニアよりも高解像度化では出遅れていますし、何よりパナソニックの副社長が高解像度化を否定しているのです。また、消費電力に圧倒的な差があることは、考慮されないのでしょうか。

パナソニックとパイオニアのPDPの消費電力
メーカー パイオニア パナソニック
解像度 ハーフHD フルHD ハーフHD フルHD
型番 PDP-507HX PDP-5000EX TH-50PX600 TH-50PZ600
消費電力(W) 343 410 455 598
年間消費電力量
(kWh/年)
365 - 399 509

2割以上も差がでています。パナソニックの大好きな測定法である年間消費電力量でさえ、1割ほど差が出ています。 以前、ハイブリッドカーの燃費について書きましたが、渋滞では3〜4割改善されるものの、そうでなければ数%の差かしかでないというデータばかり目にします。自動車と電気製品を比較することは妥当ではないかもしれません。しかし、2割という改善率を無視する事はできないでしょう。

アクオスが、世界ブランド…。アクオスが高画質とは考えられませんが、それは私の主観によるもの。ですが、シェアに関しても日本以外ではあまり好ましい状況ではないでしょう。2004年の第3四半期の全世界シェア(出荷台数ベース)は25%越えを達成していたにもかかわらず、2006年の第1四半期には15%を割っています。出荷台数ベースではソニーは4位ですが、金額ベースでは1位です。フィリップスやサムスンだけでなくソニーにも負けているということになります。

経済産業省は売り上げ以外は気にしないのでしたら、シャープの液晶事業を挙げるのは…。あ、シェアの急落を防ぎたい事業というのでしたら、問題ありませんね。急いで手を打たないと、繰り出し鉛筆に(以下略)。

モノヅクリって何なのでしょう。

この記事へのコメント
ブランド力とモノヅクリを同列に捉えている人に違いなんて分かるんですか?
Posted by hoge at 2009年07月24日 13:52
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