2007年05月27日

解像度の使い方

4K Pure Cinemaを見て感じる、フルHDの向こう側によれば、 4k2k(フルHDの4倍のデータ量)のデジタルシネマは、 「切れるような輪郭のシャープさと、微細な部分まで見える感じ」と思う人が多いと思う。 しかし、実際には「輪郭はソフトで滑らかな描写に感じるのに、質感を伝える情報量であふれている」という感じ らしいです。

映像として絵が記録される場合、解像度を上回るデータは、丸め込まれます。つまり、平均値をとったり切り捨てられたりするという事。人間の目やフィルムでは、徐々に細かいデータが見えなくなります。テレビなどで用いられるデジタルデータでは、、ある細かさ(解像度)を境に見えなくなります。解像度を上回るデータは、破棄しなければ折り返しノイズと呼ばれるものとなり、映像を汚します。折り返しノイズの中でもよく見かけるものは、モアレです。

では、どうすれば規定以上のデータを破棄できるのてしょう。たとえば、すりガラス。細かいデータは丸め込まれ、大まかな形状しか判別できなくなります。ビデオカメラの場合、レンズは図らずともボヤケを生じるため、この役割を果たします。しかし、この方法では、特定の細かさを上回るデータを丸め込むといっても、その境界が曖昧です。ですから、規定以上のデータを破棄するには、規定内のデータもまとめて破棄してしまいます。つまり、ボケた映像となります。輪郭がはっきりとした映像にするには、ある程度の折り返しノイズが混入します。また、ビデオカメラの撮影素子の開口率は100%でありません(過去記事へのリンク)。ですから、実際にはボケているのに折り返しノイズが混入してしまいます。

適切なフィルタがかけられていない場合

遠くの線が、乱れてしまって奇妙な模様が発生しています。これが、折り返しノイズ。 デジタル画像に対して、いい加減な処理を行えばこの様になります。 ビデオカメラでは、この様なノイズは頻繁に発生します。

理想的カメラで撮影された場合

遠くの線の乱れは減りました。しかし、細かい部分には幾何学模様が残っています。また、あるところを境に灰色のベタ塗りに変化しているようにも感じます。 画像のぼやけを最小限に抑えながら、ノイズを減らそうとするとこの様になります。ビデオカメラでは、これが限界。

フィルタを通してノイズを減らした場合

先の画像より若干ぼやけたものの、幾何学模様は大幅に減りました。高解像度のデータを若干ぼかしてから、縮小をかけました。それにより、細かすぎるデータが丸め込まれ、乱れが減りました。

フィルタを通してノイズを削除した場合

先の画像よりも随分とぼやけましたが、幾何学模様はきれいさっぱりなくなりました。

折り返しノイズとボケの関係も、図であらわしました。

データを残しつつ、ノイズを削除する場合

縦軸がデータ量、横軸が細かさ(解像度)です。細かさとは、1920*1080や720*480などの数字によって、どれほど細かいデータが記録できるのかによって決定されます。

細かさの限界を上回るデータはノイズを発生しますので、切り捨てなければなりません。 ですが、なるべく必要なデータまでも切り捨ててしまう事(青色部)を避けなければ、映像がぼやけてしまいます。そのため、ある程度のノイズ(赤色部)が混入してしまいます。 このノイズは、周波数が高い成分ほど周波数が低いノイズとなって現れます。

ノイズを完全に削除する場合

折り返しノイズから完全に逃げるためには、随分とデータを切り捨てなければなりません。これでは、映像がボケてしまって、見苦しいです。ある細かさを上回るデータのみをスパッと丸め込めないために、ノイズと輪郭のくっきり感とが相反してしまうのです。

仮に、特定の細かさを上回るデータをビシッと捨てられるフィルタがあるとしましょう。これはこれで、不自然になります。 先の白黒の線の画像では、線がはっきりと確認できる場所と灰色のベタ塗りの場所が区別できている画像があります。これが、もっとひどくなったら…。

静止画ならまだしも、動画の場合には更に深刻です。被写体にズームしていったら、ある点を境にパッと模様が浮かび上がったら不自然ですよね。

どうやら、自然な画像には、輪郭のボケが不可欠という事の様です。しかし、フルHDの様に解像度に余裕がない場合、そんな余裕はありません。

また、実際のビデオカメラでは、様々なノイズが混入したり輪郭が乱れたりします。これらの成分は、細かい場合が多いです。

そこで、4k2kの登場です。4k2kであれば、多少は輪郭がボケても、気になりません。勿論、折り返しノイズも避けられます。これにより、美しい輪郭と細やかな質感の両立が可能となります。また、ビデオカメラがノイズや輪郭の乱れを生じても、目立ちにくいです。

スパイダーマン3は、これを実現していたのかもしれません。

この記事へのコメント
モアレ縞は、元画像側のパターン数とCCD側の配列数とが起こす干渉です。
受像側の解像度よりも画像側のパターン数が多くなって起こすものは、偽改造です。
偽改造を減らすためには受像側の解像度よりも元画像側の空間周波数を下げればよく、それを示していねのが貴君の示した下の図です。水色のデータと表示してあるのは、方形波のFFTスペクトラムです。このスペクトラムは、相似形で保持しないと方形波が再現できないので、ナイフで切り取ったように切り取るのはナンセンスな話です。画像側の空間周波数を下げるということは、要するにボケた画像にすることで、それは干渉を発生しにくくさせることもできますが、輪郭強調などのリンギングが目立つようになるのは、昔から知られているとおりです。テレビでは、逆にそれを利用していますし、多くのデジタルカメラでも利用しています。
空間周波数をあげることが出来る受像素子があれば、干渉も少なくでき、リンギングも少なくできますが、逆に輪郭強調が小さくなるので、よりソフトなやわらかい画像になりますが、多くは単に眠たいだけの画像になりがちで、適宜加工しないと人間の感じる改造感が一致しません。

憶測の記事を書くのは自由ですが、もう少し画像のなんたるかを勉強なさってから書くことをお勧めします。
Posted by S&L at 2007年08月18日 08:31
>モアレ縞は、元画像側のパターン数とCCD側の配列数とが起こす干渉です。
>受像側の解像度よりも画像側のパターン数が多くなって起こすものは、偽改造です。

私の知識不足により、誤った単語を用いてしまいました。ご指摘、ありがとうございます。


>偽改造を減らすためには受像側の解像度よりも元画像側の空間周波数を下げればよく、それを示していねのが貴君の示した下の図です。水色のデータと表示してあるのは、方形波のFFTスペクトラムです。このスペクトラムは、相似形で保持しないと方形波が再現できないので、ナイフで切り取ったように切り取るのはナンセンスな話です。画像側の空間周波数を下げるということは、要するにボケた画像にすることで、それは干渉を発生しにくくさせることもできますが、輪郭強調などのリンギングが目立つようになるのは、昔から知られているとおりです。テレビでは、逆にそれを利用していますし、多くのデジタルカメラでも利用しています。

画像をぼかすと輪郭強調が目立つ理由が理解できません。高倍率のSSAAをかけた画像に適切なデジタルフィルタによる処理を施した画像は、ぼやけていて輪郭強調が目立つということでしょうか。


>空間周波数をあげることが出来る受像素子があれば、干渉も少なくでき、リンギングも少なくできますが、逆に輪郭強調が小さくなるので、よりソフトなやわらかい画像になりますが、多くは単に眠たいだけの画像になりがちで、適宜加工しないと人間の感じる改造感が一致しません。

自然の風景には輪郭強調は施されていませんが、多くの人は眠たい画像と感じません。クッキリした画像とも感じないでしょうが、自然な画像と感じるでしょう。
Posted by El Dorado(筆者) at 2007年08月18日 12:09
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