2007年08月22日

コップに浮かべた氷が溶けたなら

コップに、氷を入れます。そこに、水をコップからあふれる直前まで注ぎます。そのとき、当たり前ながら氷は浮きます。

時間が経つにつれて、氷は溶けていきます。さて、氷が溶けるとコップの水はどうなるでしょう。

  1. コップの水はあふれる
  2. コップの水はあふれもせず、減りもしない
  3. コップの水は減る

氷が溶ける事によって体積が小さくなります。しかし、浮いていた部分が水の中に沈んでしまい、その分の水は増えてしまいます。どうやら、その比率がポイントのようです。

答えとしては、2の変わらないです。

計算の都合で、水が凍ると体積が倍になるとします。本当は、そんなに膨張しませんけど、計算の都合ですのでご堪忍。

水の中に浮かんでいるものには、浮力が働くと聞いた事があるかと思います。その浮力は、押しのけたものの重さ-押しのけているもの、となります。 今回は、押しのけられた水の重さ-氷の水に使っている部分の重さ、となります。 そして、氷の水から出ている部分の重さと浮力のつりあう位置で、氷は止まります。

今、コップの水のうち、10cc(10g)だけ氷になったとします。体積は、20ccで、重さは10g。 もし、10ccだけ氷が水に浸かっていれば、体積は変わりません。つまり、氷が溶けても水の体積は変化せず、コップから水はあふれません。

20ccの氷のうち、10ccだけ水に浸かっていると、浮力は5g分です。10ccの氷の重さはは5g(10gの半分)、10ccの水の重さは10gなので、先ほどの式から10g-5gとなるからです。

20ccの氷のうち、10ccだけ水に浸かっているという事は、10ccの氷は水から出ています。そして、水から出ている10ccの氷の重さは5gです。

ということで、氷の浮かんでいる部分の重さと浮力が同じです。つまり、氷は半分だけ浸かっているという仮定は正しかったのです。 そのため、氷が溶けようが再び凍ろうが、コップの水はあふれる事もなく減る事もないのです。

この記事を書いたのは、中村正三郎さんが、 なにしろ、北極の氷が溶けると海水面が上昇するなんて、中学校理科のアルキメデスの原理すら知らないバカが番組や記事を作り、真実を全然報道しないからという主張なんですね。 と書かれていたのですが、意外と忘れている方が多いのではないかな、と思ったからなのでした。

先ほどのたとえ話では納得の行かないという人に、もう少ししっかりとした説明を。

水が凍りになるとき、体積はA倍になるとします。

B[g]の氷(B*A[cc]の氷)を水に浮かべるとき、X[cc]だけ水に浸かります。このXを求めれば、水の増減は求まります。

X[cc]水に浸かった際の浮力は、X - X/A (水の重さ-氷の重さ)です。一方、水面から出ている氷の重さは、B - X/A(元の氷の重さ-浸かっている氷の重さ)です。

これらは、つりあります。よって、X - X/A = B - X/A。-X/aを両辺から消去すると、X = Bである事がわかります。

つまり、B[g]の氷を浮かべると、B[cc]だけ水に浸かるという事です。また、B[g]の氷が溶けるとB[g]の水になりますが、B[g]の水の体積はB[cc]です。 よって、氷は溶けても水かさは変化しません。

余談ですが、氷に気泡などが入っていても、問題ありません。 気泡が氷に入る事は水の膨張率が大きくなる事とこの場合において同義ですが、この実験の結果は先ほどの膨張率の値に依存しないからです。 直感的な説明としては、お風呂に浮かんでいる風船に穴を開けても、水かさは増えない、なんて感じかな?

この記事へのコメント
すごくわかりやすい
Posted by at 2011年12月30日 17:44
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